トス回しについて考えていた | 強行突破 FC2新館
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1月30日にNHK-BS1で放送されていたパナソニック パンサーズvs.JT サンダーズでパナソニックの宇佐美が上げていたトスは酷いもので、試合が終わってからも「トス回し」についていろいろ考えさせられました。

いや、むしろ「トス回し」という言葉について考えさせられたというべきでしょうか。

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「トス回し」という言葉から「猿回し」を連想したのは、オポジットが清水だったからというわけだけではありません。
「トス」でアタッカーを振り「回す」というセッターの尊大な心理がこの「トス回し」という言葉から滲み出ているような気がしはじめたのです。
そして私の中で、「トス回し」という言葉は「猿回し」とリンクして、セッターがアタッカーを低くて打ちにくいトスでブンブン振り回すイメージで固定化されました。

「トス回し」をするセッターは、ブロックはトススピードの速さで割れると思い込んでいる、要するに「低くて速いトス」の信奉者です。
そしてこれではセンター攻撃が有効に使えないものだから、サイドサイドでトスをびゅんびゅん振り回します。
これが見た目に派手に見えるものだから、バレーを思考していない方々からちやほやされます。

まずバレーボールを伝えている側が真っ先に「低くて速いトス」を応援していきます。
速い速度で移動するボールだけを見て「速い!」と絶賛しているのが現在のバレーボール中継のクォリティです。
そして多くの視聴者が「低くて速いトス」を見て「速い」と感じる条件反射を刷り込まれていきます。

攻撃の早さをブロック戦術との相対関係で見る訓練ができていない…という前にブロック戦術が理解できていないで攻撃のスピードだのテンポだのを語っているバレーボール中継が大多数です。
「元全日本」とか「日本が誇る世界のエース」とか「天才セッター」とか言われている解説者でも、その程度のクォリティの解説しかしていない。
相手のブロック技術・戦術レベルが上がれば上がるほど、そのような小手先の速さというものが通用しないことに全く気付いていません。

最も早い攻撃は、アタッカーのスパイクヒットポイント(最高打点)にセッターが直接トスを置いた直後に打ち込むAクイックであるということを理解していない。
セッターのセットアップを見て反応するリードブロックでは、アタッカーのヒットポイントがよほど低くない限りは永遠に対処できない。

早い攻撃は戦術に基づいたブロックが完成できないから「早い」わけで、トスのスピードが「速い」わけではありません。
ちなみにこの瞬間のトススピードは0m/sです。移動距離も0。超遅いトスです。

こうして思考の無い実況・解説と、TVからの情報は盲目的に信じ込むファンによって、「低くて速いトス」を上げるセッターを持ち上げる構造が完成します。
試合に負ければ「サーブレシーブが返らなかった」「センターが空気だった」。
ラリー中にクイックが使える効果について語っている解説者でさえも、負ければ「サーブレシーブ」。
そしてセンターが空気なのではなく、セッターがセンターにトスを上げられないことにも触れられない。

はい。
日本が誇る宇佐美大輔と竹下佳江のできあがりです。
どちらも「はやさ」の前提条件を間違えた中で育った、「速くて低いトス」が売りの、ただのセンターが使えない小型セッターです。


長身セッターがアタッカーのヒットポイントにボールを置くようなプレイは全く評価できず、トスのボールの移動速度だけを見てセッターを評価しているからこのようなことになってきます。
クイックと比べるとトスの移動距離が発生するブロード攻撃などは、実況アナウンサーは大喜びして「速い!速い!」と絶賛します。
実際はセットアップの瞬間からボールが移動する「距離」が発生する時点で明らかに遅くなっているのですが。


距離の話を掘り下げます。
例えば大型セッターと小型セッターがアタッカーと同じ位置関係で同じアプローチでセットアップをするとします。
アタッカーの動きも同じでセッターはジャンプトスをしないものとします。

位置は同じですが、高さに差があるのですから小型セッターの場合は大型セッターのトスよりもアタッカーのヒットポイントまで距離は伸びます。
同一時間でトスをアタッカーにお届けしようとすると、小型セッターの場合はよりボールのスピードを必要とするのです。

位置関係と実際の距離をイコールと考えてしまう錯覚があると、「同じ位置関係でも小型セッターのほうがトススピードは速い。しかし実際の到達時間は同じ」ということが理解できない。
あるいは小学校の算数で計算できることが頭に無いから、セッターは小型であるほどもてはやされていきます。

そして「速いトス」がもてはやされるから、「速いトス」を信奉するセッターはますますサイド攻撃やブロード攻撃を多用してアタッカーを振り回していきます。
初速の速いトスは垂直落下率が低くなるので、高いトスを上げるとアタッカーが届かなくなる可能性が高まります。
そして「速くて低いトス」になっていきます。
「速くて低いトス」を得意とするセッターは、アタッカーの修正に期待のできない短い距離でのセットアップに不安を抱えます。
はい。センターのクイックが使えなくなっていきます。

でも大丈夫。
試合に負けたら「サーブレシーブが返らなかった」。
センターの攻撃発生が少なくても「センターが空気」。
「速くて低いトス」に魅せられた「猿回し」の大好きなみなさまが、全力でセッターを守ってくれます。


でもそのまま放置していては本人があまりに可哀想なので、私が指摘するのです。
まずは「トス回し」というのをネガティブな用語として分類しないといけないと考えはじめたのでした。
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