佐野優子選手のアンダーによる二段トスを見てみる<ライトにいくフリをしてほかへ上げる篇・アンダーによる二段トスの基本> | 強行突破 FC2新館
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今回もtamtam_twtr氏のYouTubeから、前回と同じ3本の動画を見ていきます。

月刊バレーボール1月号P145より引用
眞鍋「(前略)そのかわりライトにいくフリをしてほかへ上げたりしました。(後略)」


今回はシステム上の問題ではなく、トスの問題に切り込んでいきます。

プレイ感覚が無いとなかなか判りにくいかもしれませんが、RunningSet篇の動画と比較しながら繰り返し見ていくことで、おそらく言おうとしているニュアンスは伝わるのではないかと考えています。


アンダーハンドトスアップ例(15)


アンダーハンドトスアップ例(16)


アンダーハンドトスアップ例(17)


アンダーハンドトスアップ例(17)のバックセンター木村沙織への1本目のトスを除き、上記3本の動画で佐野優子は背後にいる江畑幸子に二段トスを上げています。

本シリーズの<眞鍋監督インタビューへの疑問篇>で、アンダーで良いトスを上げる条件として以下の2点をあげました。
①上半身をきちんとロックして
②両足の直線的な荷重移動でボールを運ぶこと


②は少し言葉足らずだったので補足させていただきます。
②軸とした両足の間を荷重移動範囲として、その範囲内での下半身の直線的な荷重移動でボールを運ぶこと
ただし、長くなるので説明には言葉足らずなほうを使用させていただきます。

佐野は3つの動画での二段トスで、4本とも決して雑なトスを上げているわけではありません。
しかし(17)の木村へのトスでのブロードジャンプをさせるための位置微調整を含めて、4本全てのトスで②両足の直線的な荷重移動でボールを運ぶことは行ってはいません。
上半身はロックできていても、腰を軸にした1軸の円運動を行っています。
そのため(17)の木村へのトスは近距離にもかかわらず少しネットに寄せすぎとなり、木村は高さ不十分の追っ付け気味な体勢からスパイクを打つことになっています。

今回の3つの動画では前衛レフトの江畑に上げたトスの精度やトスの質については映像の角度的に何とも言えませんが、ボールコントロールを両足を軸とした範囲内で直線的な荷重移動で行わないと、ごく近距離ですら正確なトスを上げるのを失敗するケースがあることが(17)の1本目でおわかりいただけると思います。
そして、さらに距離が遠くなれば、その誤差がさらに大きくなりやすいこともご理解いただけると思います。


アンダーによる二段トスで、正確に江畑にトスを送ろうとするのであれば、両足の軸の間で直線的な荷重移動を行う必要があります。
今回のシリーズで何回か書いている、後頭部を打つ覚悟でバックドロップのような挙動をするというのがこれに当たります。

「自分が今コートのどの位置にいるのか」ということは本格的に競技に取り組んでいるバレーボール選手なら常に把握しながらプレイをしています。
私はこれをコート感覚と呼んでいます。
背後にボールを送り込む時はこのコート感覚を元に自分の場所とアタッカーのヒットポイントを判断し、送り出すボールをコントロールします。

背後へトスを上げる時にこういった基本動作をしていないと、トスの精度やトスの質が悪くなります。
二段スパイクを打つために常に準備をしているポジションはレフトプレイヤーです。
そこにアンダーで正確なトスを上げようとするのならば、上記のような体の使い方になってきます。*
「リベロによるアンダーでの二段トス」と決めたのであれば、こうした基本動作も徹底して、見る人を「凄い!ナイストス!」と唸らせるクォリティを見せてもらいたいものです。
*抜けていたので補記しました。

話が逸れるので細かくは書きませんが、この荷重移動の意識向上は同じセットプレイであるサーブレシーブの精度向上にも役立ちます。
ある場面で不調だったとしても修正が短時間で済むようになるので、練習に時間をかける価値があります。


3つの動画の中で最も良くないのは(16)の江畑へのトスです。
これは②両足の直線的な荷重移動でボールを運ぶことだけではなく、①上半身をきちんとロックしても行っていません。
つまり腕を振り回しています。

今回見た3本の動画では、相手ブロックがスプレッドから2枚揃えられるような、つまりアタッカーがトスを見て修正して打つことができる「高いトス」だったので、大きな破綻はきたしていません。
木村も江畑もトスと相手ブロックと相手コートを見て対処する能力が高いプレイヤーです。

しかしtamtam_twtr氏のYouTubeを見ていくと、このことが理由でトスが短かったり流れたり、ネットに近かったり大きく割れたりしている映像が数多く見られます。
このクォリティでは木村や江畑ほどの対処能力が無いプレイヤーが起用されている場合は、二段トスになった瞬間に攻撃力が低下することになります。


このシリーズのどこかの映像のコメント欄でぬのTが指摘している通り、「二段トスをアンダー」とすることで、コート中央からバックセンターへのトスでないと理想的なトスが望めなくなってしまっています。
実際は(17)の1発目のように、バックセンターへのトスでも微細なトスミスは発生しています。

アンダートスの縛りがセットアップの位置的な縛りと攻撃発生場所の位置的な縛りとなってしまう。
・バックセンター以外からの攻撃では、アタッカーの二段トス処理能力への依存度が高くなってしまいます。


その先の戦術的発展性があるのでしょうか。
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ボールの軌道   二段トス   トスの質   アンダートス  
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