2011年10月 | 強行突破 FC2新館
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ワールドカップの前に 『速さ』という言葉について考えよう 前文
『はやさ』って何だろう? ワールドカップの前に 『速さ』という言葉について考えよう
トスに求められる『はやさ』って何?1回目 ワールドカップの前に 『速さ』という言葉について考えよう
トスに求められる『はやさ』って何?2回目 ワールドカップの前に 『速さ』という言葉について考えよう
トスに求められる『はやさ』って何?3回目 ワールドカップの前に 『速さ』という言葉について考えよう
の続きです。

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アジア選手権で2位だった全日本女子も、アジア選手権で5位だった全日本男子も、開催国でなければ本来はワールドカップ出場権はありませんでした。
高さに対抗するために『はやさ』を追求していながら、四半世紀も混迷を続けている理由がいろいろと見えてくるはずです。

その原因を一度整理してまとめておきます。

日本バレー界が追及する『速さ』失敗の原因
・セッターA点とアタッカーB点の距離は同じというところから発想
・ストップウォッチを持ち出し、AB2点間の秒数を絶対視
・速いトスはアタッカーが打ちにくいが、それを乗り越えることが『速いバレー』の前提条件



『セット』の目的はアタッカーにしっかりとスパイクを打たせること。
いいトスは頂点付近で余分な力が抜けたトス。
いいトスは放物線を描きません。アタッカーの近くに頂点がくる。
アタッカーの最高打点に届けるトスの速度は仰角と距離で自動的に決まってくる。
トスのルートを近道させようと思ったら、その分トスの初速は遅くなる。
つまり早いトスは遅い。

こういった当たり前のことをストップウォッチという文明の利器を手にした興奮で忘れてしまっているのです。
…猿?


ここで今回は黄色の矢印の軌道を見ていきましょう。
黄色の軌道は、私がファーストテンポを理解した当初、これがファーストテンポだと考えた軌道です。
しかし現在ではあまり良いトスではないと考えるようになっています。
高校時代に完全にマイナステンポなレフト平行を打っていただけに、私自身も理解に段階的な修正が必要なのです。

これが今回のタイトルの「頂点が低いトスをもっと速く」
確かに黄色の軌道でもトスの頂点は超えています。
実は黄色の軌道はアンテナ方向に向かうエネルギーがアタッカー付近で充分減衰していないのです。
つまり頂点を超えてボールは落下はしていきますが、まだアンテナ方向に向かうエネルギーは充分に残っていて、軌道はアンテナ方向に伸びていきます。

しかし水色やピンクの軌道と比較してみていかがでしょう。
水色やピンクの矢印は、アタッカーの方向に向かって行くのに対し、黄色の矢印はアタッカーとは別の方向(アンテナ方向)を指向しています。

アタッカーも最高打点でこの黄色の軌道の頂点を超えた一点で交差すればスパイクを打てないことはありません。
すでにテンポの理解をされている方ならピンとくると思いますが、私はこれを『マイナステンポの幻想』と呼んでいます。

今回は細かい話や具体的な事例を省略しますが、アタッカーが打ちにくいトスであることは間違いありません。

・ブロックが完成する前に打て
・アタッカーは空中で待って
・スイングをコンパクトに


日本のセンターアタッカーはこうした指導を受けながら、日本のセンター攻撃はどんどん攻撃の威力を失ってきました。
今はリードブロックの発達によってスプレッド攻撃のテンポアップが求められ、その結果マイナステンポの幻想による指導がサイドアタッカーにまで広がってきているのです。

ネットを基準に理論上180度スパイクを打てるセンターアタッカーならばへなちょこスパイクでも決まるでしょう。
しかしアンテナがあり理論上90度しか射角が無いサイドアタッカーは相手コートの6人にがっちりとディフェンスフォーメーションを敷かれます。
続けて同じコースを打とうものなら、相手もすぐに修正してくる。
サイドアタッカーはピンポイントの狙いをつけたスパイクを打てないと、いろいろ困ったことになるのです。

「ブロックリバウンドを取って再攻撃」とか「ブロックアウトを狙え」とか、今年も全日本の試合を見ていると散々言われてきています。
しかし、ピンポイントを狙えなくなるようなマイナステンポの幻想に陥ったチーム方針を採っていて、それは矛盾していませんか?


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前回は『速さ』について全く触れずにアタッカーが打ちやすいトスについて書いてきました。
アタッカーがしっかりスパイクを打てる「はやさ」を追求していくには、トスを近道させていけば良いのです。

そして今回のテーマは水色の軌道とピンクの軌道のどちらが『速いトス』なのか。

ひとつだけシンプルな物理法則の式を出しておきましょう。

もちろん暗記をする必要はありません。
問題の本質を絞ったら、必要な公式はインターネットで検索すれば出てきます。
ちなみに運動エネルギーをジュールのJで表したり、エナジーのEで表したりする公式も出てきます。
一見違うように見えても内容は一緒。

wikipediaの「運動エネルギー」より

ニュートン力学的(非相対論的、古典的)には、
運動をする物体の運動エネルギー K は、質量 m と速さ v の2乗に比例する。
すなわち、
85a3b6a94ba44cf96908011659e352f0.png



公式が出てきたので面倒くさい…
そう思うかもしれませんが大丈夫です。
なにせ扱っているのがあらゆる公式をきれいさっぱり暗記できない私ですから。
ちなみに年号も人の名前も暗記できません。


トスの軌道の頂点付近でボールが持つ運動エネルギー(上に向かう力と画像で言えば左に向かう力)を消耗させるのがアタッカーの打ちやすいトス。
つまり上の公式で言えば、運動エネルギーKを頂点付近でできるだけ0に近づけたい。
質量はボールの重量に重力や空気抵抗や回転する力がかかったもの。

上に向かう力は頂点で完全に±0になります。
セッターがボールに与える回転運動で揚力は発生していたとしても、重力の力に負けてあとは落下する方向に向かいます。

アンテナ方向に向かう力は実際は慣性があるので±0にはなりませんが、空気抵抗の影響を受けるのでボールは減速の方向に向かいます。

するとどうでしょう。
重力や空気抵抗に抵抗をしなくてはいけない、仰角の大きい遠回りをする水色のトスのほうが
・長い距離を移動する
・長い時間空気の抵抗に触れる
・重力に抵抗する

質量のmを減少させる力が余分にかかるので、ボールの『速さ』が必要ということになります。

なんと遠回りするトスのほうがセッターが出す初速が『速いトス』を必要とするという結論。
ちなみに頂点を超えてからも、重力による落下の加速度が付くので『速いトス』になる。


混乱しませんか?
バレーの解説者が言っていることは「低いトス=速い」だったはずです。
全日本の監督や選手たちも、発言を要約していくと同じような主張をしていたはず。

ここまで読んで考えてきたみなさまなら、解説者本人が気付いていない矛盾を今後は見抜けるようになるはずです。
『速さ』と『早さ』を混同し、アタッカーが打ちやすいトスというものを無視している。
VOLLEYBALL 2011年11月号の真相真相排球塾で記載されている『セット』ではなく「速いトス回し」の『トス』になってしまっているのです。

気が向いたら11月号の排球塾のネタ元になっているはずの、私の2月のエントリーもご覧ください。
参考:トス回しについて考えていた
主にセンターアタッカーへのトスについて書いていますが、問題の本質は同じです。


では全日本や日本のバレー界は何をやろうとしているのでしょうか。
続きは次回。

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"[プロバレーボール]大韓航空、LIG損保破って単独先頭 2011/10/30(Sun) 07:12 プロバレーボール大韓航空がLIG損害保険を破ってシーズン3連勝を成し遂げた。..." http://t.co/CX7pDXy3
10-30 22:07

ご当地2週目だとちょっとダレるな。 #ぱふっ♪
10-30 17:57

イエローカット2答目w #ぱふっ♪
10-30 17:52

イエロー無双だw #ぱふっ♪
10-30 17:48

@dhalmel 見ればいいのに
10-30 17:47

@dhalmel です。
10-30 17:44

つーっとってあくび指南だっけ? #ぱふっ♪
10-30 17:42

#ぱふっ♪ タグメンバーが今日はTLにいない…
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笑点始まった。 #ぱふっ♪
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10-30 17:04

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前回と同じ画像をベースに、今回はアタッカーが打ちやすいトスについて考えていきましょう。

今回はまず、水色の矢印を見てください。
ボールの軌道がきれいな山なり、いわゆる『放物線』を描いていないですよね。
バレーボールのボールの重さと大きさだと、空気抵抗や重力の影響を少し受けるので、普通にトスを上げても純粋な放物線を描かないのです。

参考:スポーツにおける球体の移動と物理学の関連性(PDFにつき注意/暗記する必要はありません)

セッターはトスに弱い逆回転を加えることによってボールの不規則な変化を抑えます。

フローターサーブという無回転のサーブがかなり不規則な変化をすることは、バレーを見ているとしばしば目にしますよね。
こうした不規則な変化を抑えることを考えてゆるい回転を加えます。
弱い逆回転にすることで少しだけボールに上向きの『揚力』を発生させます。

ボールが頂点に達したところで空中に上がろうとする上向きのエネルギーとアンテナ方向に伸びていこうとする横向きのエネルギーがかなり衰えて、ボールは上がって来た軌道とは異なり、垂直に近づく角度で落下します。

このような余分な力が抜けたトスがアタッカーにとってスパイクを打ちやすいトスなのです。
そしてこのようなトスは、コートの後ろから見るとアタッカーに近い場所にトスの軌道の頂点があるのです。


さて、ここでピンクの矢印にも目を向けてみましょう。
トス軌道の近道バージョン、いわゆる『早いトス』です。
こちらのトスもきれいな放物線を描いていません。

アタッカーにとって理想的なトスというのは、コートの後ろから見るときれいな放物線を描かないこのようなトスなのです。
頂点を超えて余計な力が抜けているという事。
軌道の頂点付近で上に向かうエネルギーは消えますが、そのタイミングでアンテナ方向に伸びようとするエネルギーもかなり消耗していることが必要です。
近道のトスほど、トスの頂点はアタッカーに近づいていきます。


今回はここまで『速さ』について全く触れていませんでしたが、次回は水色の軌道とピンクの軌道のどちらが『速いトス』なのかを考えてみましょう。

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この画像は以前のブログで私がファーストテンポというものを理解する段階で用いたものです。
Volley pedia バレーボール百科事典 CHAPTER 1 “スピード”ではなく“テンポ”(攻撃における“テンポ”の概念)(p018)を強行突破的に強引に理解する 

『テンポ』『ファーストテンポ』という言葉は最近はテレビ中継などでもようやく少し出てくるようになりました。
しかしTV中継の解説として起用される人々でもほとんどが正確に理解していません。
「ファーストテンポ=速攻」「セカンドテンポ=時間差」というおかしな認識のまま使っている解説者もいますので注意が必要です。

私も2009年の上のブログの段階で半ば強引にファーストテンポについて理解をしていったのですが、その後1年半も経っていますので当然ブラッシュアップは行われて、現在では少し違う定義でファーストテンポを捉えています。
このエントリーを読んで『ファーストテンポ』を強引に理解していくというのも手段のひとつですが、日頃からバレーを見ているわけではない人にはかなり面倒くさいと思われます。
今回のシリーズを読んで、ワールドカップバレーを見て、「バレーってなんだか面白いな」と思ったら、上のエントリーに進んでさらに考えるきっかけとしてみてください。


さて、そこで使った画像を流用してトスのお話をしましょう。

写真の中に3種類の矢印がありますね。これがセッターからアタッカーに上がったトスの軌道です。
ちなみに、このブログエントリーの段階では黄色の矢印を「ファーストテンポ」として理解していきましたが、現在はピンクのラインが「ファーストテンポ」という理解で良いという風に考えています。

まず水色とピンクの矢印の曲線を見てください。
水色は高く上がったトスの軌道。ピンクはかなり軌道は低い。
でもセッターがトスを上げるポイントとアタッカーがスパイクを打つポイントはどちらも同じですよね。

2点間のトスは動く距離が異なります。
ピンクのトスは遠回りをしている水色のトスと比べて近道をしています。
だから『早く』アタッカーのところに到着するのです。

しかし全日本がやっているバレーボールはセッターA点とアタッカーB点の距離は同じ…というところから発想を始めています。
そしてストップウォッチを持ち出すことで2点間の秒数を絶対視しています。
だからトスの『速さ』の追求が行われるのです。
『早く』の要素でトスの軌道を『低く』すると同時にトスの『速さ』を『速く』して、2点間の経過時間を短くしようとしていきます。
ここで『早く』と『速く』の混同が見られます。

この結果、低いトスは速い速いトスは低いという固定観念が刷り込まれていきます。

大林素子解説に顕著に見られますが、「低い」=「速い」という解釈で解説が行われていることからも、この固定観念はなかなか払拭できないようです。

しかしちょっと画像を見てください。アタッカーのB点の高さは同じですよね。
アタッカーとしては常に自分の最高打点でスパイクを打ち込みたい。
つまりアタッカーとして求めるトスに『高い』も『低い』もない。
むしろ『高い』も『低い』も、最高打点で打ちにくかったら、それはトスミスなのです。

アタッカーがスパイクを打ち込むための要素が忘れられています。

最近ではこのあたりの視点に気付いた実況アナウンサーや解説者も少しですが出てきました。
しかし実況が気付いて「今のトスは少し低かった」と評価しても、それを『速さ』と受けて『低くて速いトス』を礼賛する話を続ける解説者がまだまだ多いので、視聴者としては注意が必要です。


アタッカー側の視点が出てきたので、次回はアタッカーが打ちやすいトスについて考えていきます。


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